| 原則として、常時又は随時10人以上雇うことになれば作成し、届け出る必要のある会社の法律となるものです。本則とパート・アルバイト規程や賃金規程などの各種規定からなります。職場に掲示又はすぐに見れる状態にしておかないといけないと定められていますが、最近では社内LANなどで提示されてる場合が多いようです。
作成するメリット
懲戒解雇できない(10人未満でも)
人を採用する際に応募が集まりやすい
作りようによっては収益があがる
社内ルールができることにより社員も安心する(ルールがないと不満が出る)
うつや労災で問題が発生した場合に企業の姿勢を示す証拠となる
労働者ともめた場合に社内の慣習としての効力がある(通常、慣習は証拠にするのは難しい)
優先順位
民法>労働基準法>就業規則>労働契約
上位で定められたもの優先。つまり労働基準法で定められていなければ就業規則で規定することが可能。
なぜ就業規則が必要なのか
・会社の理念をいれて社員のモチベーションを上げる
・収益をあげるための戦略的ツール
・企業防衛(解雇ができる)
就業規則は作り方によっては戦略的ツールにもなるし、ただの紙切れにもなります。法的に提出義務があるからと運用不可能なものを適当に作るのではなく、どうせ作るなら戦略的ツールにすべきだと思いませんか?
当事務所では就業規則を作る目的は3つあると考えています。
●社内のモチベーションをあげる
これは特に会社の規模が数人から10人を超える段階で注意していただきたいのですが、小規模であればそれまで社長の1人芝居でなんとか回ってきていても10人を超えるようになってくると組織として体制を整えないとどこかでほころびが出てくるようになります。
たとえばこんな会社がありました。その会社は飲食店で店に店長と副店長、他に社員が1人、後はアルバイトでまわしていました。ここは深夜営業の店なので閉店作業は主に副店長と社員が交代制でしていました。
しかしラストまで働いていた社員が翌朝のオープン作業から入ることになると大変だろうということで店長がラストまで働いていた人は翌日は午後出社でいいという指示を出しました。そうするとどうなったか。その後店長が別の店に移動になり、それまで副店長だった人が店長になり、どういうシフトになったか。前の店長はオープン時はアルバイトだけで店を開けてたな。まあ、お客さんが少ないから社員はオープン時には入る必要がないから当然か。。そうなってその店はオープンに社員は入らなくなりました。
その後、他の店からきた店長に変わった時にオープン時は食材の未着や機器の確認作業があるからと社員をシフトに入れると、「この店はオープンから午前中はお客さんがいないから昔からオープン時はアルバイトだけでやっています」と。こういう事態になってしまうのです。
こういう事例は数え上げればきりがないほどあります。おそらくここをご覧の方の会社にも似たような事例-あいまいで理由はわからないが、昔からそうやっている-があると思います。
数人の規模ではなんとか、不満も社長の力や、個々の責任の重さでやってこれたかもしれませんが、ある程度の規模になると、ルールや規律がないものに対し、自分で勝手に判断する従業員がでてきます。
上の事例でいえば、就業規則に「営業時間中は社員が常時1人以上いる状態にする。オープン時と閉店時には社員が最終的な機器のチェックをする」という文句をいれ、さらに入社時にこれはアルバイトだけにオープンや閉店作業をやらせるとトラブルがあった際に機動的に処理できず、お客様に迷惑をかけ、店の一時的な売り上げだけでなく、そのイメージでお客様を逃してしまうことになるからです、と説明をするように(もしくは就業規則に注釈をいれる)すれば、シフトを作る際にも単純に売り上げだけでシフトを組んだりすることがなくなるのです。
●収益をあげるための戦略的ツール
就業規則を作成することは休日や休暇の規定など、それまであいまいだった労務管理を整備するにも役立ちます。有給休暇などは法律で付与日数が定められていますが、5日を越える分については前もって有休の日を指定することが可能です。例えば設立記念日は全社的に有休とするなどいうことが可能になります。
また休日出勤に関して、逆に労働基準法では4週間に4回与えればよいことになっていますが、もし仮に日曜日を「休日」と規定してしまうと、日曜に出勤した場合は必ず割り増し賃金を支払わなければならなくなります。それ以外に盆休みや正月などの祝日に休日とする規定はありません。そのあたりをうまくやりくりすることで、経費を節約することができます。
人件費は会社を運営する上で最も大きなウェートを閉めています。それを極力押さえることは必要ですが、ただ単純に給与を低く設定する、週休1日にするといった手段ではいずれ従業員は条件のよい方へいってしまうでしょう。しかし、払う必要のないものを払っているのに従業員に気づいてもらっていないものは払わない、もしくは払っているという周知をすることで企業価値があがるのではないでしょうか。
●企業防衛
就業規則を整備することによって、上記のように社内に秩序ができることと、無駄な経費を抑え収益をあげることがわかったかと思いますが、他に忘れてはならないのが、就業規則には企業防衛の側面があるということです。秩序を守り、経費を抑えるだけなら素晴らしいものなんですが、素晴らしいだけに逆に就業規則の“アナ”をついてくる不良労働者が必ずでてきます。
裁判であっても、労働者が労働基準監督署へ通報したことによる立ち入り調査であっても、就業規則にアナがある場合、確実に企業は負けます。単純な例であれば、就業規則に賃金は時給1,500円と書いてあるのに時給1,000円の労働契約を結んだ場合、その労働契約は無効となり、後で労働者に訴えられた場合に否応なく払わねばなりません。
また、懲戒解雇する場合、就業規則に解雇事由を列挙していなければ不当解雇に当たります(もちろん合理性も必要ですが)。通常ひな形をそのまま写したような就業規則を使っている会社はその時点で解雇することも難しくなります。なぜなら解雇事由というのはその企業の形態や経営者の考え方一つで異なるため、ひな形のように通り一辺倒で○○だからという訳にはいかないからです。しかもひな型は労働基準監督署のものを使用してることがほとんどです。つまり、労働者優位の就業規則を選んでいるということになるのです。開業間もない企業で育児休暇などの整備が果たしてどこまで必要なのでしょうか?無料セミナーでそこのつっこんだ話をしますので興味ある方はどうぞお申し込みください。
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